今日の企業のデータアーキテクチャは20年前とはまったく異なりますが、監視およびトレースツールは遅れており、エンジニアリングチームがエラーや遅延の原因を特定するのが難しい状況となっています。
イスラエルの開発者Eden Federman（上記の写真、右）は、分散トレーシングというより高度な観測方法が解決策だと考えていますが、実装の障害により予想よりも採用が低くなっていることに気づき、これが彼をOdigosの共同創業者に導いたのです。このスタートアップは、現在のように大量のデータを処理する複雑なクラウドネイティブシステムを簡単に監視できるように企業を支援しています。
CEOであるAri Recht（上記の写真、左）とは関係がありませんが、彼らの妻は従姉妹です。これがFedermanが投資銀行家のRechtにアイデアを提示できるようになった経緯です。これはすぐに一連の会議に発展しました。「彼と働くほど、彼が好きになり、ビジネス側が不足していることがより理解できるようになりました」とRechtはTechCrunchに語りました。
Federmanと同様に、Rechtはコーディングはしませんが、多くの時間をスタートアップで過ごし、明らかにテクノロジー重視のOdigosのビジネス面に精通しています。彼らは十分に説得力のあるチームを組み、Y Combinatorがサンフランシスコで主に対面形式で行われた2023年冬のバッチに選ばれました。
「実際に私たちは6ヶ月一緒に暮らし、非常に成功した時期でした」とRechtは述べています。その中でのハイライトの1つは、最終的にOdigosをバックアップするエンジェル投資家との出会いでした。当初Keyvalという名前だった会社は、YCのデモの時期にSAFEノートを通じて資金調達し、最近ではボストンを拠点とするVCファームVenture Guidesが主導する1300万ドルのラウンドを行いました。
最近のラウンドのエンジェル投資家の1人であるLightstepの共同創設者Ben Sigelmanは、Odigosが活用しているおよび維持を支援しているオープンソースの観測性フレームワークであるOpenTelemetryの共同作成者でもあります。Rechtはこれを「素晴らしい」と表現していますが、同時に「非常に難しい」とも述べています。したがって、Odigosがクライアントに「エンタープライズ向けのOpenTelemetry」を提供できる機会があります。
Odigosのターゲット市場は、Googleのような巨大企業でも小規模スタートアップでもない大企業です。巨人たちは通常、Odigosのオープンソースリポジトリを含め、分散トレーシングを自力で解決できます。しかし、テクノロジーに疎いエンタープライズクライアントは、多くの手作業作業を要するその他の場合を実装するためのサポートが必要としています。
ここでeBPFが重要な役割を果たします。拡張ベルケリーパケットフィルターのレガシー用語で、この技術を使用することで、開発者はLinuxオペレーティングシステムで直接実行されるプログラムを作成できます。さまざまなスタートアップが異なる方法で使用していますが、Odigosにとっては、性能に過度の影響を与えず、コードの変更を必要とせずに自動分散トレーシングを解除するための鍵となっています。
これは特に企業にとって価値があります。Rechtは、「25000のアプリケーション、または25000のマイクロサービスを持っている場合、手作業でそれを行うのはほぼ不可能です。そしてもし実施しても、多くのパフォーマンスオーバーヘッドが発生するでしょう」と述べています。
FedermanとOdigosのチームのほとんどは、特にeBPFおよびOpenTelemetryグループで積極的にオープンソースの貢献者であり、スタートアップは最初のプロジェクトをCloud Native Computing Foundationに寄贈しました。これにより、エンタープライズクライアントに何が欠けているかを知ることができます。「顧客が私たちを信頼するのを助けることの1つは、私たちのオープンソースのバックグラウンドだと思います」とFedermanは述べています。
オープンソース側を持つスタートアップの場合、商用オファリングはまったく同じではありません。Federmanによると、Odigosのオープンソースバージョンは単一のKubernetesクラスター上で非常にうまく動作しますが、企業版は複数の環境をサポートしています。
さらに重要なことに、Odigosは大規模な組織に、開発者リソースに依存することなく、また専門家にならずに分散トレーシングを実装する機会を提供しています。そしてOdigosは、彼らがアプリケーションパフォーマンスモニタリングツールを変更する必要はありません。それがDatadog、Dynatrace、SigNoz、またはHoneycombなどであっても、最新ラウンドに投資したHoneycombのCEOであるChristine Yenはその例です。
最近のラウンドに参加した他の参加者には、Firestreak Ventures、Mango Capital、Salesforce Ventures、さまざまなエンジェル投資家が含まれています。新しい資金は、スタートアップがソリューションを開発し、販売戦略への投資を行い、本社を創業者が最終的に移動することを期待しているボストンに設立するのに役立ちます。これにより、見込みの顧客に近づけることができます。まだステルスモードですが、同社は最近、「非常に大きなアメリカ企業」と「主要なPOCを締結しました」と説明しています。
